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詳細はこちら →SQL Server からWorkday へストアドプロシージャで自動連携:SQL Gateway
SQL Server のCDC 機能とストアドプロシージャを使って、リンクサーバー経由でWorkday のデータを定期的に更新する方法
最終更新日:2022-03-22
こんにちは!ドライバー周りのヘルプドキュメントを担当している古川です。

シナリオ
SQL Serverにある既存テーブルの更新された値を、Workday に自動的に取り込んでいきます。構成は、Workday とSQL Server の間にSQL Gateway を配置し、SQL Gateway からデータソースへのアクセスはHTTP リクエスト、SQL Gateway からクライアントへはTDS プロトコル(SQL Server)でアクセスできるようにします。
SQL Gateway を使うことで、SQLServer のリンクサーバー経由やMySQL へ接続できるツール、サービスなどからもSaaS にアクセスすることが可能になります。もちろん参照だけでなく更新も可能です。
手順
やることは大枠でこちらの内容です。
- CData ODBC ドライバインストール & DSN 設定
- SQL Gateway TDS プロトコルI/F を作成
- SQL Server リンクサーバーを作成
- SQL Server CDC 機能をオンにする
- SQL Server 更新用ストアドプロシージャの作成
- SQL Server エージェントでスケジュール設定
CData ODBC ドライバとは?
CData ODBC ドライバは、以下のような特徴を持ったリアルタイムデータ連携ソリューションです。
- Workday をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレミスデータソースに対応
- 多様なアプリケーション、ツールにWorkday のデータを連携
- ノーコードでの手軽な接続設定
- 標準 SQL での柔軟なデータ読み込み・書き込み
CData ODBC ドライバでは、1.データソースとしてWorkday の接続を設定、2.SQL Server 側でODBC Driver との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。
CData ODBC ドライバのインストールとWorkday への接続設定
まずは、本記事右側のサイドバーからWorkday ODBC Driver の無償トライアルをダウンロード・インストールしてください。30日間無償で、製品版の全機能が使用できます。
CData ODBC ドライバをインストールすると SQL Gateway もあわせてインストールされるようになっています。ではこちらのリンクからWorkday をクリックして、インストーラーをダウンロードします。ダウンロードボタンをクリックしてWorkday
ODBC Driver
をダウンロードします。
ダウンロードしたWorkdayODBCDriver.exe をダブルクリックしてインストールを開始します。
インストール自体はデフォルトのまま進んで構いません。インストール後にDSN 設定画面が開きます。
- 接続プロパティの指定がまだの場合は、DSN (データソース名)で行います。Microsoft ODBC データソースアドミニストレーターを使ってODBC DSN
を作成および設定できます。一般的な接続プロパティは以下のとおりです:
- User
- Password
- Tenant
- Host
Microsoft ODBC データソースアドミニストレーターで必要なプロパティを設定する方法は、ヘルプドキュメントの「はじめに」をご参照ください。
Workday 接続プロパティの取得・設定方法
ここでは、4つのWorkday API の接続パラメータを設定する方法、およびTenant とBaseURL を取得する方法について説明します。必要なAPI のパラメータが設定され、カスタムOAuth および / またはAzure AD API クライアントを作成したら、接続の準備は完了です。
接続の前提条件
API / 前提条件 / 接続パラメータ
WQL / WQL サービスを有効化(下記参照) / ConnectionType: WQL
Reports as a Service / カタログレポートの設定(ヘルプドキュメントの「データアクセスのファインチューニング」参照) / ConnectionType: Reports
REST / 自動で有効化 / ConnectionType: REST
SOAP / 自動で有効化 / ヘルプドキュメントのWorkday SOAP API への認証を参照BaseURL およびTenant の取得
BaseURL およびTenant プロパティを取得するため、Workday にログインしてView API Clients を検索します。 この画面では、Workday はBaseURL とTenant の両方を含むURL であるWorkday REST API Endpoint を表示します。
REST API Endpoint のフォーマットは、 https://domain.com/subdirectories/mycompany です。ここで、
- https://domain.com/subdirectories/ はBaseURL です。
- mycompany(URL の最後のスラッシュの後の部分)はTenant です。
例えば、REST API エンドポイントがhttps://wd3-impl-services1.workday.com/ccx/api/v1/mycompany の場合、 BaseURL はhttps://wd3-impl-services1.workday.com であり、Tenant はmycompany です。
WQL サービスを有効化
Workday WQL API を介して接続するには、はじめにWQL Service を有効にする必要があります。- Workday を開きます。
- 検索バーにView Domain と入力します。
- プロンプトにWorkday Query Language と入力します。
- Allowed Security Group Types のいずれかに、接続するユーザーが含まれていることを確認します。
Workday への認証
Basic 認証以外のほとんどのWorkday 接続では、認証のためにOAuth ベースのカスタムAPI クライアントアプリケーションを作成する必要があります。これには、ユーザーがAzure AD 資格情報を介して接続するエンタープライズインストールも含まれます。 Workday への認証につての詳細は、ヘルプドキュメントの「Workday への認証」セクションを参照してください。
ここまでで、CData Workday ODBC Driver の設定が完了しました。続いてはSQL Gateway の設定に入っていきます。
SQL Gateway でTDS プロトコルI/F を作成
Windows メニューにある SQL Gateway クリックして起動します。

SQL Gateway が起動されたらこのようなコンソール画面が表示されます。最初に「サービス」タブから追加ボタンをクリックします。

以下の内容で設定します。
- サービス名:任意
- I/F:サービス名下のラジオボタンでTDS(SQL Server)を選択
- データソース:先ほど設定したDSN
- ポート:未使用のもの

外部からこの SQL Gateway にアクセスする際のユーザー情報を作成します。

作成後は「変更を保存」→「開始」の順でボタンをクリックします。サービスが正常に開始されると、このように緑色のランプが点灯します。

これで データソースからSQL Gateway 間の接続設定と、TDS プロトコルでのインタフェース設定が完了しました。
リンクサーバーの作成
次にSQL Server とSQL Gateway をつなぐために、リンクサーバーを作成していきます。
SSMS で対象の SQL Server に接続し、「サーバーオブジェクト」->「リンクサーバー」から右クリックでリンクサーバーの新規作成を行います。
- リンクサーバー名:任意
- サーバーの種類:その他
- プロバイダー:SQL Server Native Client
- データソース:SQL Gateway を起動しているインスタンスとポート
「インスタンス,ポート」の書き方。 - カタログ:SQL Gateway で指定したDSN

セキュリティに移動して、SQL Gateway
で作成したユーザー情報を入力して設定は完了です。

これでWorkday のオブジェクトがリンクサーバーにテーブルとして表示されるようになりました。

SQL Server の設定(CDC)
まずは CDC(Change Data Capture)
機能をオンにしていきます。ちなみにこの CDC
とは、各テーブルのデータの変更情報を保持してくれる機能です。
※CDC はStandard Edition 以上、もしくはDeveloper Edition
で利用可能です。
今回はこのCDC 機能を使って変更データを抽出し、Workday に連携していきます。
CDC 機能を利用するデータベースを指定して以下のSQL を実行します。
USE cdata;
GO
EXECUTE sys.sp_cdc_enable_db;
GO
CDC の対象とするテーブルを設定します。
EXEC sys.sp_cdc_enable_table
@source_schema = N'dbo',
@source_name = N'顧客データ_東北支店',
@role_name = N'cdc_role',
@supports_net_changes = 1
GO

各種パラメータの説明はMicrosoft の公式ドキュメントをご参照ください。上記以外にも設定できるようです。
これで対象 DB
のシステムテーブルに、変更情報を保持してくれるテーブルが表示されました。

何も変更していない状態では、dbo_顧客データ_東北支店_CT
テーブルのレコードはない状態です。

CDC 対象の顧客データ_東北支店
テーブルにあるメールアドレス列の値を変更してみます。

もう一度、dbo_顧客データ_東北支店_CT テーブルを参照すると変更前後のレコードが格納されました。ちなみに$operation=3 で更新前、4で更新後となります。

これで SQL Server で変更したデータを確認することが出来るようになりました!
ストアドプロシージャの作成
シンプルに CDC テーブルの Name という項目だけを使用して、それをリンクサーバーの [Workday].[顧客管理(営業支援パック)] テーブルに Insert、Delete、Update で連携するということをやってみます。
CREATE PROCEDURE WorkdaySP
AS
BEGIN
SET ANSI_NULLS ON
SET ANSI_WARNINGS ON
--カーソルの値を取得する変数宣言
DECLARE @Id varchar(50)
DECLARE @email varchar(50)
DECLARE @Operation int
--カーソル定義
DECLARE CUR_1 CURSOR FOR
SELECT a.[RecordId], a.[メールアドレス],a.[__$operation]
FROM [cdata].[cdc].[dbo_顧客データ_東北支店_CT] AS a,
(SELECT[RecordId] , MAX([__$seqval]) AS seqval
FROM [cdata].[cdc].[dbo_顧客データ_東北支店_CT]
GROUP BY [RecordId]) AS b
WHERE a.[RecordId] = b.[RecordId]
AND a.[__$seqval] = b.seqval
--'3'は更新前レコード
AND a.[__$operation] <> '3'
--カーソルオープン
OPEN CUR_1;
FETCH NEXT FROM CUR_1
INTO @Id,@email,@Operation;
WHILE @@FETCH_STATUS = 0
BEGIN
-- 削除レコードの場合
IF @Operation = 1
BEGIN
DELETE FROM [WORKDAY_GATEWAY].[CData Workday Sys].[Workday].[顧客管理(営業支援パック)] WHERE
RecordId=@Id;
END
-- 新規レコードの場合
ELSE IF @Operation = 2
BEGIN
INSERT INTO [WORKDAY_GATEWAY].[CData Workday Sys].[Workday].[顧客管理(営業支援パック)]
([メールアドレス])
Values(@email);
END
-- 更新レコードの場合
ELSE IF @Operation = 4
BEGIN
UPDATE [WORKDAY_GATEWAY].[CData Workday Sys].[Workday].[顧客管理(営業支援パック)] SET
[メールアドレス] =
@email
WHERE
RecordId=@Id;
END
--次のレコード
FETCH NEXT FROM CUR_1
INTO @Id,@email,@Operation;
END
--カーソルクローズ
CLOSE CUR_1;
DEALLOCATE CUR_1;
--CDC変更テーブルのレコード削除
Truncate table [cdc].[dbo_顧客データ_東北支店_CT]
END
スケジュール設定
最後にSQL Server
エージェントでストアドプロシージャのスケジュール実行を設定します。

ステップで新規作成から、先ほど作成したストアドプロシージャを実行するよう設定します。

実行タイミングを設定します。今回は夜中に毎日実行されるようスケジューリングしました。

設定後はこのように次にジョブが実行される時間やステータスなどが表示されています。

これで設定が完了しました!
SQL Server のデータを更新
以下は変更テーブルの中身です。赤枠内のレコードが
リンクサーバーを介してWorkday に反映される想定です。
赤枠レコードの内訳は、
- 1行目:削除レコード(__$operation:1)
- 2行目:更新前レコード(__$operation:3)
- 3行目:更新後レコード(__$operation:4)
- 4行目:追加レコード (__$operation:2)

ではこれでAM 3:00に実行されるのを待ってみると、ジョブが実行されました。

リンクサーバーの[Workday].[顧客管理(営業支援パック)]
テーブルを参照すると、先ほど確認したレコードが削除も含めて反映されていました。

これであとはこのまま起動しておくだけで、SQL Server で更新したレコードをもとにWorkday が更新されるようになりました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。SQL Server の CDC 機能とストアドプロシージャ、リンクサーバーでWorkday に自動連携できるようになりました。
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