Oracle Data Integrator でAzure Synapse のデータをETL する方法

この記事では、Oracle Data Integrator を使ってAzure Synapse のデータをデータウェアハウスに転送する方法を説明します。

加藤龍彦
デジタルマーケティング

最終更新日:2022-01-31

この記事で実現できるAzure Synapse 連携のシナリオ

こんにちは!ウェブ担当の加藤です。マーケ関連のデータ分析や整備もやっています。

Oracle Data Integrator(ODI)はOracle エコシステムのハイパフォーマンスなデータ統合プラットフォームです。CData JDBC Driver for AzureSynapse を使えば、OCI をはじめとするETL ツールからAzure Synapse のデータにJDBC 経由で簡単に読み取りと書き込みを実現できます。リアルタイムAzure Synapse のデータをデータウェアハウス、BI・帳票ツール、CRM、基幹システムなどに統合すれば、データ活用もぐっと楽に。

CData のコネクタを使えば、Azure Synapse API にリアルタイムで直接接続して、ODI 上で通常のデータベースと同じようにAzure Synapse のデータを操作できます。Azure Synapse エンティティのデータモデルを構築、マッピングを作成し、データの読み込み方法を選択するだけの簡単なステップでAzure Synapse のデータのETL が実現できます。

ドライバーのインストール

ドライバーをインストールするには、インストールフォルダにあるドライバーのJAR ファイルと.lic ファイルをODI の適切なディレクトリにコピーします。

  • UNIX/Linux(Agent なし):~/.odi/oracledi/userlib
  • UNIX/Linux(Agent):$ODI_HOME/odi/agent/lib
  • Windows(Agent なし):%APPDATA%\Roaming\odi\oracledi\userlib
  • Windows(Agent):%APPDATA%\Roaming\odi\agent\lib

ODI を再起動してインストールを完了します。

モデルのリバースエンジニアリング

ODI の機能を使ってモデルをリバースエンジニアリングすることで、ドライバー側で取得したAzure Synapse のデータのリレーショナルビューに関するメタデータが取得できます。リバースエンジニアリング後、リアルタイムAzure Synapse のデータにクエリを実行してAzure Synapse テーブルのマッピングを作成できます。

  1. ODI でリポジトリに接続し、「New」->「Model and Topology Objects」をクリックします。 新しいモデルを作成
  2. 表示されるダイアログの「Model」画面で、以下の情報を入力します。
    • Name:AzureSynapse と入力します。
    • Technology:Technology:Generic SQL(ODI がVersion 12.2+ の場合はMicrosoft SQL Server)を選択します。
    • Logical Schema:AzureSynapse と入力します。
    • Context:Global を選択します。
    モデルを設定
  3. 表示されるダイアログの「Data Server」画面で、以下の情報を入力します。
    • Name:AzureSynapse と入力します。
    • Driver List:Oracle JDBC Driver を選択します。
    • Driver:cdata.jdbc.azuresynapse.AzureSynapseDriver と入力します。
    • URL:接続文字列を含むJDBC URL を入力します。

      Azure Synapse への接続

      Azure Synapse データベースに接続するには、認証に加えて(下記参照)、次のプロパティを設定します。

      • Server:Azure を実行しているサーバー。Azure ポータルにログインして、[Azure Synapse Analytics]->[Select your database]->[Overview]->[Server name]に進むと確認できます。
      • Database[Azure Synapse Analytics]ページのAzure ポータルに表示されるデータベース名。

      Azure Synapse への認証

      次のプロパティを使用してAzure Synapse に接続します。

      • User:Azure との認証のためのユーザー名。
      • Password:認証ユーザーに関連付けられたパスワード。

      組み込みの接続文字列デザイナー

      JDBC URL の作成の補助として、Azure Synapse JDBC Driver に組み込まれている接続文字列デザイナーが使用できます。JAR ファイルをダブルクリックするか、コマンドラインからjar ファイルを実行します。

      java -jar cdata.jdbc.azuresynapse.jar

      接続プロパティを入力し、接続文字列をクリップボードにコピーします。

      組み込みの接続文字列デザイナーを使ってJDBC URL を生成(Salesforce の場合)

      一般的な接続文字列は次のとおりです。

      jdbc:azuresynapse:User=myuser;Password=mypassword;Server=localhost;Database=Northwind;
    Data Server を設定
  4. Physical Schema 画面で、以下の情報を入力します。
    • Name:ドロップダウンメニューから選択します。
    • Database (Catalog):CData と入力します。
    • Owner (Schema):Azure Synapse にSchema を選択した場合は、選択したSchema を入力し、それ以外の場合はAzureSynapse と入力します。
    • Database (Work Catalog):CData と入力します。
    • Owner (Work Schema):Azure Synapse にSchema を選択した場合は、選択したSchema を入力し、それ以外の場合はAzureSynapse と入力します。
    Physical Schema を設定
  5. 開いたモデルで「Reverse Engineer」をクリックしてAzure Synapse テーブルのメタデータを取得します。 モデルをリバースエンジニアリング

Azure Synapse のデータの編集と保存

リバースエンジニアリング後、ODI でAzure Synapse のデータを操作できるようになります。 Azure Synapse のデータを編集し保存するには、Designer ナビゲーターでモデルアコーディオンを展開し、テーブルを右クリックして「Data」をクリックします。「Refresh」をクリックしてデータの変更を取得します。変更が完了したら「Save Changes」をクリックします。 データを表示

ETL プロジェクトの作成

次の手順に従って、Azure Synapse からETL を作成します。Products エンティティをODI Getting Started VM に含まれているサンプルデータウェアハウスにロードします。

  1. SQL Developer を開き、Oracle データベースに接続します。Connections ぺインでデータベースのノードを右クリックし、「New SQL Worksheet」をクリックします。

    もしくは、SQLPlus を使用することもできます。コマンドプロンプトから、以下のように入力します。

    sqlplus / as sysdba
  2. 以下のクエリを入力し、ODI_DEMO スキーマにあるサンプルデータウェアハウスに新しいターゲットテーブルを作成します。以下のクエリは、Azure Synapse のProducts テーブルに一致するいくつかのカラムを定義します。 CREATE TABLE ODI_DEMO.TRG_PRODUCTS (PRODUCTNAME NUMBER(20,0),Id VARCHAR2(255));
  3. ODI でDesigner ナビゲーターのModels アコーディオンを展開し、ODI_DEMO フォルダの「Sales Administration」ノードをダブルクリックします。Model Editor でモデルが開きます。
  4. 「Reverse Engineer」をクリックします。TRG_PRODUCTS テーブルがモデルに追加されます。
  5. プロジェクトの「Mappings」ノードを右クリックし、「New Mapping」をクリックします。マッピングの名前を入力し、「Create Empty Dataset」オプションを無効にします。Mapping Editor が表示されます。
  6. TRG_PRODUCTS テーブルをSales Administration モデルからマッピングにドラッグします。
  7. Products テーブルをAzure Synapse モデルからマッピングにドラッグします。
  8. ソースコネクタポイントをクリックしてターゲットコネクタポイントにドラッグします。Attribute Matching ダイアログが表示されます。ここでは、デフォルトオプションを使用します。その場合、目的の動作はターゲットカラムのプロパティに表示されます。
  9. Mapping Editor のPhysical タブを開き、TARGET_GROUP の「PRODUCTS_AP」をクリックします。
  10. PRODUCTS_AP プロパティで、Loading Knowledge Module タブの「LKM SQL to SQL (Built-In)」を選択します。 Azure Synapse へのSQL ベースのアクセスには、標準データベース間のナレッジモジュールを使用できます

これで、マッピングを実行してAzure Synapse のデータをOracle にロードできます。

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