Linux 上でSnowflake のデータに接続するGo アプリケーションを作成する方法

CData ODBC Driver とunixODBC を使って、Snowflake に連携するGo アプリケーションを作成。

古川えりか
コンテンツスペシャリスト

最終更新日:2023-09-07

この記事で実現できるSnowflake 連携のシナリオ

こんにちは!ドライバー周りのヘルプドキュメントを担当している古川です。

Go はオープンソースのプログラミング言語で、高速かつ信頼性の高いソフトウェアを低コストで作成できるのが魅力です。Go とODBC Driver for Snowflake およびunixODBC を組み合わせて使うことで、Snowflake のデータにリアルタイムで 接続するアプリケーションを作成できます。本記事では、ODBC Driver for Snowflake のインストール、unixODBC Driver Manager への設定、そしてSnowflake に連携するGo アプリケーションの作成までを説明します。

CData ODBC ドライバとは?

CData ODBC ドライバは、以下のような特徴を持った製品です。

  1. Snowflake をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレデータソースに対応
  2. Go をはじめとする多様な開発ツールやノーコードアプリ、BI ツールにSnowflake のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定

CData ODBC ドライバでは、1.データソースとしてSnowflake の接続を設定、2.Go 側でODBC Driver との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

Linux マシンで CData ODBC Drivers を使用する

CData ODBC Drivers はUbuntu、Debian、RHEL、CentOS、およびFedora など多くのRed Hat ベースおよびDebian ベースのシステムでサポートされています。 ほかにもいくつかのライブラリやパッケージのインストールが必要ですが、すでにデフォルトでインストールされている場合もあります。詳細はオンラインおよびインストールされるヘルプドキュメントの「はじめに」のセクションを参照してください。

Driver Manager のインストール

ドライバーのインストール前にシステムにDriver Manager が入っているかを確認してください。本記事では無料のオープンソースDriver Manager であるunixODBC を使います

Ubuntu のようなDebian ベースのシステムでは、APT パッケージマネージャからunixODBC をインストールできます:

$ apt-get install unixODBC unixODBC-dev

Red Hat Linux ベースのシステムでは、yum もしくはdnf からunixODBC をインストールできます:

$ yum install unixODBC unixODBC-devel

unixODBC Driver Manager はDriver の情報をodbcinst.ini ファイルから読み、odbc.ini からデータソースの情報を読みます。 次のコマンドをターミナルに入力して、設定ファイルの配置場所を決めることができます:

$ odbcinst -j

コマンドのアウトプットでODBC データソースのコンフィギュレーションファイルと登録されたODBC Drver のロケーションを表示します。 ユーザーデータソースはodbc.ini ホームフォルダが位置するユーザーアカウントのみからアクセス可能です。システムデータソースはすべてのユーザーからアクセスできます。 このコマンドのアウトプット例は以下です:

DRIVERS............: /etc/odbcinst.ini SYSTEM DATA SOURCES: /etc/odbc.ini FILE DATA SOURCES..: /etc/ODBCDataSources USER DATA SOURCES..: /home/myuser/.odbc.ini SQLULEN Size.......: 8 SQLLEN Size........: 8 SQLSETPOSIROW Size.: 8

ドライバーのインストール

パッケージ形式でドライバーをダウンロードできます。.deb 形式もしくは、.rpm 形式で提供しています。 ファイルをダウンロードしたら、ターミナルからドライバーをインストールします。

ドライバーインストーラーはドライバーをunixODBC に登録し、ODBC 接続をサポートするツールやアプリケーションから利用できるシステムDSN を作成します。T

Ubuntu のようなDebian ベースのシステムでは、sudo で次のコマンドを実行します: $ dpkg -i /path/to/package.deb

.rpms をサポートするシステムでは、sudo で次のコマンドを実行します: $ rpm -i /path/to/package.rpm

ドライバーのインストールが終わったら、unixODBC Driver Manager を使って登録されたドライバーを表示し、データソースを定義することができます。

登録されたドライバーの表示

$ odbcinst -q -d CData ODBC Driver for Snowflake ...

定義されたData Source の表示

$ odbcinst -q -s CData Snowflake Source ...

unixODBC でCData ODBC Driver for Snowflake を使用するには、ドライバーがUTF-8 を使用するように設定する必要があります。それには、通常はインストールフォルダのlib フォルダ(/opt/cdata/cdata-odbc-driver-for-snowflake)に入っているドライバーのINI ファイル(cdata.odbc.snowflake.ini)を次のように編集する必要があります:

cdata.odbc.snowflake.ini

... [Driver] DriverManagerEncoding = UTF-16

DSN の変更

ドライバーがインストールされると、システムDSN が事前定義されます。システムDSN はシステムデータソースファイル(/etc/odbc.ini)を編集して必要な接続プロパティを定義します。 ユーザー単位のDSN を作成することも可能で、その際には$HOME/.odbc.ini へのアクセスと変更は必要ありません

Snowflake データベースに接続するには、認証に加えて次のプロパティを設定します。

  • Url:自身のSnowflake URL、例えばhttps://orgname-myaccount.snowflakecomputing.com
    • Legacy URL を使用する場合:https://myaccount.region.snowflakecomputing.com
    • 自身のURL を見つけるには:
      1. Snowflake UI の左下にある自身の名前をクリックします。
      2. Account ID にカーソルを合わせます。
      3. Copy Account URL アイコンをクリックして、アカウントURL をコピーします。
  • Database(オプション):によって公開されるテーブルとビューを、特定のSnowflake データベースのものに制限します。
  • Schema(オプション):本製品によって公開されるテーブルとビューを、特定のSnowflake データベーススキーマのものに制限します。

Snowflake への認証

本製品は、Snowflake ユーザー認証、フェデレーション認証、およびSSL クライアント認証をサポートしています。認証するには、UserPassword を設定し、AuthScheme プロパティで認証メソッドを選択します。

キーペア

ユーザーアカウントに定義されたプライベートキーを使用してセキュアなトークンを作成することにより、キーペア認証を使用して認証できます。この方法で接続するには、AuthSchemePRIVATEKEY に設定し、次の値を設定します。

  • User:認証に使用するユーザーアカウント。
  • PrivateKey:プライベートキーを含む.pem ファイルへのパスなど、ユーザーに使用されるプライベートキー。
  • PrivateKeyType:プライベートキーを含むキーストアの種類(PEMKEY_FILE、PFXFILE など)。
  • PrivateKeyPassword:指定されたプライベートキーのパスワード。

その他の認証方法は、ヘルプドキュメントの「Snowflake への認証」セクションを参照してください。

/etc/odbc.ini or $HOME/.odbc.ini

[CData Snowflake Source] Driver = CData ODBC Driver for Snowflake Description = My Description User = Admin Password = test123 Server = localhost Database = Northwind Warehouse = TestWarehouse Account = Tester1

これらのコンフィギュレーションファイルの使い方についての詳細は、インストールされるヘルプドキュメントを参照してください。

Snowflake のデータに連携するGo アプリケーションサンプルの作成

Driver Manager のインストール、DSN 設定を終えたら、Snowflake のデータ に連携するGo アプリケーションを作成します。 まずはODBC データベース向けのGo ドライバーをインストールします。いくつかのオプションがありますが、本記事ではhttps://github.com/alexbrainman/odbc のODBC ドライバーを使います。

Linux へのODBC のインストール

Go のODBC ドライバーをインストールするには、GOPATH 環境変数を定義する必要があります:

export GOPATH=$HOME/golang/go

GOPATH が定義されたら、ODBC ドライバー向けのGo ドライバーをインストールすることが可能です:

$ go get github.com/alexbrainman/odbc

これでGo アプリケーションを作って実行する準備ができました。

Go アプリケーションサンプル

このサンプルアプリケーションはSnowflake のデータ に対してシンプルなSQL SELECT クエリを発行し、結果を表示します。$GOPATH/src/cdata-odbc-snowflake ディレクトリを作成し、次のソースコードをコピーして新しいGo ファイルを作成します。

cdata-odbc-snowflake.go

package main import ( _ "github.com/alexbrainman/odbc" "database/sql" "log" "fmt" ) func main() { db, err := sql.Open("odbc", "DSN=CData Snowflake Source") if err != nil { log.Fatal(err) } var ( id string productname string ) rows, err := db.Query("SELECT Id, ProductName FROM Products WHERE Id = ?", "1") if err != nil { log.Fatal(err) } defer rows.Close() for rows.Next() { err := rows.Scan(&id, &productname) if err != nil { log.Fatal(err) } fmt.Println(id, productname) } err = rows.Err() if err != nil { log.Fatal(err) } defer db.Close() }

ターミナルでGo アプリケーションディレクトリに移動して、アプリケーションをビルドします。

$ go build

アプリケーションのビルド後、アプリケーションを実行してSnowflake のデータを表示することができます。

$ ./cdata-odbc-snowflake

おわりに

このようにCData ODBC ドライバと併用することで、270を超えるSaaS、NoSQL データをGo から扱うことができます。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

日本のユーザー向けにCData ODBC ドライバは、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

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