国産セルフサービスBI ツールData Knowledge でNetSuite のデータを分析・可視化する方法

CData ODBC Driver は、Tableau へのNetSuite 連携をノーコードで手軽に実現します。

杉本和也
リードエンジニア

最終更新日:2023-09-07

この記事で実現できるNetSuite 連携のシナリオ

こんにちは!リードエンジニアの杉本です。

今回は、クロスユーアイエス社の国産セルフサービスBI ツールData Knowledge とCData ODBC ドライバを組み合わせて、NetSuite のデータの分析・可視化を行う方法を紹介します。

Data Knowledge とは?

Data Knowledge は株式会社クロスユーアイエスが提供する国産セルフサービスBI ツールです。わかりやすいインターフェースとシンプルな手順でデータの可視化を行うことができ、BI ツールを使用した経験がない人でも簡単に使うことができます。

Data Knowledge紹介画像

連携シナリオ

さて、今回の記事ではData Knowledge からNetSuite に接続していきますが、このときに必要となるのがCData ODBC ドライバです。

Data Knowledge にはODBC を経由してExcel やAccess、SQL Server などに接続する機能が標準提供されています。この機能とCData が提供しているODBC Drivers ラインナップを組み合わせることで、各種クラウドサービスのAPI やデータベースにシームレスにアクセスすることができるようになります。

Data Knowledge ODBC接続画面

とは言っても、説明だけではイメージできない部分もあると思うので、実際に連携を試してみましょう。今回はData Knowledge とNetSuite のデータを組み合わせて以下のようなクロス集計の表を作ってみたいと思います。

NetSuite のデータのクロス集計表

手順

NetSuite ODBC Driver のインストール・セットアップ

まずは、CData NetSuite ODBC Driver を対象のマシンにインストール・セットアップします。インストーラーを立ち上げると、以下のような画面になるので、ダイアログに従ってセットアップを完了してください。

ODBC インストーラー画面

セットアップ完了後、接続設定画面が立ち上がりますので、NetSuite への接続情報を設定してください。

Netsuite への接続

NetSuite は現在、2つの異なるAPI を提供しています。

  • SuiteTalk はNetSuite との通信に使用する、SOAP ベースのより古いサービスです。多くのエンティティを幅広くサポートし、INSERT / UPDATE / DELETE を完全にサポートします。 しかしデータの抽出用ツールは低機能で、SELECT 時のパフォーマンスは極めて低いです。テーブルを結合するよい方法もありません。データのグループ化および集計はこのAPI からは利用できず、 そのためこれらの操作をサポートするには、すべてをクライアントサイドで実行しなければなりません。
  • SuiteQL は新しいAPI です。サービスとのSQL ライクな通信方法を実現するため、JOIN の機能はより豊富になり、GROUP BY や集計機能もサポートします。 加えて、抽出したいカラムだけを取得する機能も完全にサポートします。そのため、データを抽出する際のパフォーマンスがSuiteTalk より大幅に向上しています。ただし、サポートされるのはデータの抽出のみです。

NetSuite に接続するには、以下を行う必要があります。

  1. Schema を設定して、接続に使用するAPI を指定。データを取得するだけの場合は、SuiteQL の使用をお勧めします。データの取得および変更が必要な場合は、SuiteTalk の使用をお勧めします。
  2. 使用するAPI に適した接続オプションを設定します。(それぞれのAPI で利用可能な接続オプションが異なります。ヘルプドキュメントの「許可の設定」を参照してください。)

Netsuite への認証

SuiteTalk またはSuiteQL

NetSuite は3つの形式のOAuth 認証を提供します。

  • トークンベース認証(TBA)は、基本的にOAuth 1.0 で、OAuthAccessTokenOAuthAccessTokenSecret を実行時ではなくNetSuite UI 内で作成します。 TBA は、2020.2 以降のSuiteTalk およびSuiteQL の両方で利用可能です。
  • OAuth 2.0 認証は、SuiteQL でのみ利用できます。OAuth 2.0 認証を強制するには、次のいずれかを実行します。
    • OAuthVersion を使用するAPI に明示的に設定、または
    • SchemaSuiteQL に設定
  • OAuth JWT 認証は、OAuth 2.0 クライアント認証フローであり、クライアント認証情報を含むJWT を使用してNetSuite データへのアクセスを要求します。この認証方法は、SchemaSuiteQL に設定されている場合にのみ使用できます。

認証方法の詳細はヘルプドキュメントの「はじめに」を参照してください。

あとは「接続のテスト」ボタンをクリックし、接続が成功したら、「接続ウィザード」の「OK」ボタンをクリックして保存します。

Data Knowledge へのログイン

続いてData Knowledge へログインし作業を進めていきます。

Data Knowledge ログイン画面

ログイン後以下のような画面に移動するので「メインへ移動する」をクリック。続いて「管理」をクリックして、以下のような管理画面に移動します。ここから接続設定の構成を進めていきます。

Data Knowledge 管理画面

資源サーバーの登録

Data Knowledge では最初に資源サーバーという形で接続先のRDB の情報などを管理します。ここに先程作成したCData ODBC ドライバの接続情報を指定します。

「資源サーバー」タブに移動し、「新規」をクリックします。

資源サーバータブで新規をクリック

資源サーバー登録画面が表示されるので、任意の「資源サーバーID」と「資源サーバー名」を入力します。

続いて接続設定で「個別で指定」のラジオボタンを指定し、サーバータイプを「ODBC」「ドライバ:データソースを使用する」と選択します。

認証はODBC DSN で事前に指定しているため、「指定しない」でOKです。

最後にホスト(アドレス)/データソースに先程構成したODBC DSNのシステムDSNである「CData NetSuite Sys」を入力して登録します。

資源サーバー登録画面

ホストファイルの登録

続いてData Knowledge で利用するデータモデルをホストファイルという形で登録します。

「ホストファイル」タブに移動し、「新規」をクリックします。

ホストファイルタブ

任意のホストファイルID とホストファイル名を指定し、テーブル構成の「更新」をクリックしましょう。

ホストファイルIDとファイル名を指定

左メニューの資源サーバーに先程追加したNetSuite のデータモデルが表示されますので、ここでData Knowledge で分析したいテーブルをドラッグアンドドロップで取り込みます。

データモデルから分析したいテーブルを取り込み

以下のように取り込めればOKです。登録ボタンをクリックして保存します。

登録ボタンで保存

また、必要に応じてサンプルも登録しておきましょう。

サンプルの登録

資源ロールの権限へ対象のホストファイルの追加

ホストファイルは追加しただけだとユーザーが利用できませんので、資源ロールに権限を追加します。「資源ロール」タブに移動し、利用する資源ロールを選択します。

資源ロールに権限を追加

ホストファイルの欄から「+追加」ボタンをクリックし

追加ボタンをクリック

先程作成したホストファイルを追加します。

ホストファイルを追加

追加後、「登録」ボタンをクリックすればロールの構成は完了です。

デザインの作成

それでは登録したホストファイルをもとに実際のデータの分析・デザインの作成を行っていきましょう。まず、利用メニューに戻ります。

利用メニューボタン

デザインの管理画面から「新規」をクリックして、新しくデザインを作成していきます。

新しいデザインを作成

デザインの作成では最初に事前に登録したホストファイルを選択します。

ホストファイルを選択

ホストファイルを選択すると、次にどの項目を取り込んでデザインを選択するか?の画面に移るので、任意の項目を選択しましょう。

項目選択画面

デザインの編集画面では集計項目や並び順が調整できます。

デザインの編集画面

加工の画面ではデータの抽出条件を設定できます。

加工画面

出力画面では抽出したデータの結果をどのようなデザインで表現するか、を設定できます。今回はクロス表を表示するような構成にしてみました。

出力画面

以下のようにクロス集計の縦軸・横軸・集計項目を指定しています。

クロス集計の設定

あとは任意の名前を入力して「実行」します。

実行画面

正常に実行が完了すると、結果の表示後集計表が作成されます。

作成された集計表

おわりに

このようにCData ODBC ドライバを利用することで、各種クラウドサービスを Data Knowledge に取り込んでデザインを作成することができます。

CData ではNetSuite 以外にもODBC Driver を多数提供しています。270種類以上のデータソースをサポートしているので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

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