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詳細はこちら →Entity Framework 6 からNetSuite のデータに連携
この記事は、Entity Framework のcode-first アプローチを使って、NetSuite に接続する方法を説明します。Entity Framework 6 は.NET 4.5 以上で利用可能です。
最終更新日:2022-04-04
この記事で実現できるNetSuite 連携のシナリオ
こんにちは!ウェブ担当の加藤です。マーケ関連のデータ分析や整備もやっています。
Entity Framework はobject-relational mapping フレームワークで、データをオブジェクトとして扱うために使われます。Visual Studio のADO.NET Entity Data Model ウィザードを実行するとEntity Model を作成できますが、このモデルファーストアプローチでは、データソースに変更があった場合やエンティティ操作をより制御したい場合は不都合があります。この記事では、CData ADO.NET Provider を使いコードファーストアプローチでNetSuite にアクセスします。
- Visual Studio を起動し、新しいWindows Form アプリケーションを作成します。ここでは、.NET 4.5 のC# プロジェクトを使います。
- Visual Studio の [パッケージ マネージャー コンソール]から'Install-Package EntityFramework' コマンドを実行し、最新のEntity Framework をインストールします。
- プロジェクトのApp.config ファイルを修正して、NetSuite Entity Framework 6 アセンブリおよびコネクションストリングへの参照を追加します。
Netsuite への接続
NetSuite は現在、2つの異なるAPI を提供しています。
- SuiteTalk はNetSuite との通信に使用する、SOAP ベースのより古いサービスです。多くのエンティティを幅広くサポートし、INSERT / UPDATE / DELETE を完全にサポートします。 しかしデータの抽出用ツールは低機能で、SELECT 時のパフォーマンスは極めて低いです。テーブルを結合するよい方法もありません。データのグループ化および集計はこのAPI からは利用できず、 そのためこれらの操作をサポートするには、すべてをクライアントサイドで実行しなければなりません。
- SuiteQL は新しいAPI です。サービスとのSQL ライクな通信方法を実現するため、JOIN の機能はより豊富になり、GROUP BY や集計機能もサポートします。 加えて、抽出したいカラムだけを取得する機能も完全にサポートします。そのため、データを抽出する際のパフォーマンスがSuiteTalk より大幅に向上しています。ただし、サポートされるのはデータの抽出のみです。
NetSuite に接続するには、以下を行う必要があります。
- Schema を設定して、接続に使用するAPI を指定。データを取得するだけの場合は、SuiteQL の使用をお勧めします。データの取得および変更が必要な場合は、SuiteTalk の使用をお勧めします。
- 使用するAPI に適した接続オプションを設定します。(それぞれのAPI で利用可能な接続オプションが異なります。ヘルプドキュメントの「許可の設定」を参照してください。)
Netsuite への認証
SuiteTalk またはSuiteQL
NetSuite は3つの形式のOAuth 認証を提供します。
- トークンベース認証(TBA)は、基本的にOAuth 1.0 で、OAuthAccessToken とOAuthAccessTokenSecret を実行時ではなくNetSuite UI 内で作成します。 TBA は、2020.2 以降のSuiteTalk およびSuiteQL の両方で利用可能です。
- OAuth 2.0 認証は、SuiteQL でのみ利用できます。OAuth 2.0 認証を強制するには、次のいずれかを実行します。
- OAuthVersion を使用するAPI に明示的に設定、または
- Schema をSuiteQL に設定
- OAuth JWT 認証は、OAuth 2.0 クライアント認証フローであり、クライアント認証情報を含むJWT を使用してNetSuite データへのアクセスを要求します。この認証方法は、Schema がSuiteQL に設定されている場合にのみ使用できます。
認証方法の詳細はヘルプドキュメントの「はじめに」を参照してください。
<configuration> ... <connectionStrings> <add name="NetSuiteContext" connectionString="Offline=False;Account Id=XABC123456;Password=password;User=user;Role Id=3;Version=2013_1;" providerName="System.Data.CData.NetSuite" /> </connectionStrings> <entityFramework> <providers> ... <provider invariantName="System.Data.CData.NetSuite" type="System.Data.CData.NetSuite.NetSuiteProviderServices, System.Data.CData.NetSuite.Entities.EF6" /> </providers> <entityFramework> </configuration> </code>
- インストールディレクトリの[lib] > 4.0 サブフォルダにあるSystem.Data.CData.NetSuite.Entities.EF6.dll を設定し、プロジェクトを作成してEntity Framework 6 を使うためのセットアップを完了します。
- この時点でプロジェクトを作成し、すべてが正しく動作していることを確認してください。これで、Entity Framework を使ってコーディングを開始できます。
- プロジェクトに新しい.cs ファイルを追加し、そこにクラスを追加します。これがデータベースのコンテキストとなり、DbContext クラスを拡張します。この例では、クラス名はNetSuiteContext です。以下のサンプルコードは、OnModelCreating メソッドをオーバーライドして次の変更を加えます:
- PluralizingTableNameConvention をModelBuilder Conventions から削除。
- MigrationHistory テーブルへのリクエストを削除。
using System.Data.Entity; using System.Data.Entity.Infrastructure; using System.Data.Entity.ModelConfiguration.Conventions; class NetSuiteContext :DbContext { public NetSuiteContext() { } protected override void OnModelCreating(DbModelBuilder modelBuilder) { // To remove the requests to the Migration History table Database.SetInitializer<NetSuiteContext>(null); // To remove the plural names modelBuilder.Conventions.Remove<PluralizingTableNameConvention>(); } }
- もう一つ.cs ファイルを作成し、ファイル名を呼び出そうとしているNetSuite のエンティティ、例えばSalesOrder にします。このファイルでは、エンティティとエンティティ設定の両方を定義します。以下に例を示します。
using System.Data.Entity.ModelConfiguration; using System.ComponentModel.DataAnnotations.Schema; public class SalesOrder { [DatabaseGeneratedAttribute(DatabaseGeneratedOption.Identity)] public System.String InternalId { get; set; } public System.String CustomerName { get; set; } } public class SalesOrderMap :EntityTypeConfiguration<SalesOrder> { public SalesOrderMap() { this.ToTable("SalesOrder"); this.HasKey(SalesOrder => SalesOrder.InternalId); this.Property(SalesOrder => SalesOrder.CustomerName); } }
- エンティティの作成が済んだので、コンテキストクラスにエンティティを追加します:
public DbSet<SalesOrder> SalesOrder { set; get; }
- コンテキストとエンティティの作成が完了したら、別クラスでデータをクエリできます。例:
NetSuiteContext context = new NetSuiteContext(); context.Configuration.UseDatabaseNullSemantics = true; var query = from line in context.SalesOrder select line;