Google Apps Script(GAS)からPipedrive のデータに連携

CData Connect Server を使用してGoogle Apps Script からPipedrive のデータを操作します。

宮本航太
プロダクトスペシャリスト

最終更新日:2022-11-14

こんにちは!プロダクトスペシャリストの宮本です。

Google Apps Script(GAS)を使用すると、Google スプレッドシートやGoogle Docs(Google ドキュメント)を含むGoogle アプリ内でカスタム機能を作成できます。CData Connect Server を使用すると、Pipedrive を含むCData でサポートされている250を超えるデータソースにアクセスできます。Google Apps Script のネイティブサポートに対応したJDBC 機能を使って、Google スプレッドシート・Docs からリアルタイムPipedrive のデータにアクセスしてみましょう。

この記事では、Connect Server でPipedrive に接続する方法を説明して、Google スプレッドシートでPipedrive のデータを処理するためのサンプルスクリプトを提供します。

ホスティングについて

GAS からCData Connect Server に接続するには、利用するConnect Server インスタンスをネットワーク経由での接続が可能なサーバーにホスティングして、URL での接続を設定する必要があります。CData Connect がローカルでホスティングされており、localhost アドレス(localhost:8080 など)またはローカルネットワークのIP アドレス(192.168.1.x など)からしか接続できない場合、GAS はCData Connect Server に接続することができません。

クラウドホスティングでの利用をご希望の方は、AWS MarketplaceGCP Marketplace で設定済みのインスタンスを提供しています。


こちらのスクリプトは指定されたテーブルからデータを読み取るだけですが、スクリプトを簡単に拡張して更新機能を組み込むことができます。

Pipedrive のデータの仮想データベースを作成する

CData Connect Server は、シンプルなポイントアンドクリックインターフェースを使用してデータソースに接続し、データを取得します。まずは、右側のサイドバーのリンクからConnect Server をインストールしてください。

  1. Connect Server にログインし、「CONNECTIONS」をクリックします。 データベースを追加
  2. 一覧から「Pipedrive」を選択します。
  3. Pipedrive に接続するために必要な認証プロパティを入力します。

    Pipedrive 接続プロパティの取得・設定方法

    Pipedrive には、接続および認証する2つの方法があります。Basic およびOAuth です。

    Basic 認証

    Basic 認証で認証するには:
    1. API トークンを取得します。
      1. Pipedrive ポータルを開きます。
      2. ページ右上のアカウント名をクリックします。Pipedrive はドロップダウンリストを表示します。
      3. 会社設定 -> Personal Preferences -> API -> Generate Token に移動します。
      4. 生成されたAPI トークンの値を記録します。また、CompanyDomain を控えておきます。これは、PipeDrive ホームページのURL に表示されます。(これは会社の開発者用サンドボックスのURL です。)
    2. 次の接続プロパティを設定します。
      • APIToken:取得したAPI トークンの値。
      • CompanyDomain:開発者サンドボックスURL のCompanyDomain
      • AuthSchemeBasic
    3. 承認されたユーザー名とパスワードでログインします。

    API トークンはPipedrive ポータルに保存されます。これを取得するには、会社名をクリックし、ドロップダウンリストを使用して会社設定 -> Personal Preferences -> API に移動します。

    OAuth 認証

    ユーザー名やパスワードへのアクセスを保有していない場合や、それらを使いたくない場合にはOAuth ユーザー同意フローを使用します。認証方法については、ヘルプドキュメントの「OAuth 認証」セクションを参照してください。

    コネクションを設定(Salesforce の場合)。

  4. Test Connection」をクリックします。
  5. 「Permission」->「 Add」とクリックし、適切な権限を持つ新しいユーザー(または既存のユーザー) を追加します。

仮想データベースが作成されたら、Google Apps Script を含むお好みのクライアントからPipedrive に接続できるようになります。

Apps Script を使ってPipedrive のデータに接続

この時点で、Connect Server でPipedrive の仮想データベースが構成できました。あとは、Google Apps Script を使ってConnect Server にアクセスし、Google スプレッドシートでサービスを操作するだけです。

CData Connect Server のTDS エンドポイントを確認

まずは、接続に必要なTDS エンドポイントの情報を取得しておきます。「CLIENTS」→「View Endpoints」とクリックすると表示される、「SQL Server Hostname」と「Port」の情報が必要になります。

SQL Server のエンドポイント情報を表示

次に、スプレッドシートにPipedrive のデータを入力するためのスクリプト(スクリプトを呼び出すメニューオプション付き)を作成します。サンプルスクリプトを作成し、以下で各部分について説明を加えています。スクリプトの全体については、記事の最後に記載しています。

1.空のスクリプトを作成

Google スプレッドシートのスクリプトを作成するには、Google スプレッドシートメニューから「拡張機能」→「Apps Script」をクリックします。

Google スプレッドシートのメニューからApps Script へ移動

2.クラス変数を宣言

スクリプトで作成された関数で使用できるようにいくつかのクラス変数を作成します。

  //CData Connect ServerのIP およびポートを指定
  var connectionName = 'xxxxxxx:1433;';
  //CData Connect Serverで作成したユーザー
  var user = 'admin';
  //CData Connect Serverで設定したパスワード
  var userPwd = 'xxxxxx';
  //接続先DB名(CData Connect Serverのコネクション名)
  var db = 'Connect_1';

  var instanceUrl = 'jdbc:sqlserver://' + connectionName + 'databaseName=' + db;

3.メニューオプションを追加

この関数は、Google スプレッドシートにメニューオプションを追加し、UI を使用して関数を呼び出すことができるようにします。

function onOpen() {
  var spreadsheet = SpreadsheetApp.getActive();
  var menuItems = [
  {name:'データをスプレッドシートに書き込む', functionName: 'selectPipedriveData'}
  ];
  spreadsheet.addMenu('Pipedrive のデータを取得', menuItems);
}
作成する関数実行用のメニュー

4.Pipedrive のデータをスプレッドシートに書き込む関数を記述

以下の関数では、Google Apps Script のJDBC 機能を使用してPipedrive をConnect Server に接続し、SELECT でデータを取得してスプレッドシートに入力します。スクリプトを実行すると、以下の2つの入力ボックスが表示されます。

最初のボックスは、データを保持するシート名を入力するためのものです(該当するシートがない場合、新規に作成されます)。

シート選択用の入力ボックス。

次のボックス、読み込むPipedrive テーブルの名前を入力するためのものです。無効なテーブルを選択するとエラーメッセージが表示され、関数が終了します。

テーブル選択用の入力ボックス。

この関数は、メニューオプションからの使用を想定して設計されていますが、スプレッドシートの式として使用するようにカスタマイズすることもできます。

/*
 * 指定したPipedrive のテーブルからデータを読み込み、指定したシートに書き込みます。
 *  シートが存在しない場合、新規に作成されます。
 */
function selectPipedriveData() {
  var thisWorkbook = SpreadsheetApp.getActive();

  //select a sheet and create it if it does not exist
  var selectedSheet = Browser.inputBox('データを書き込みたいシートを指定してください',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
  if (selectedSheet == 'cancel')
    return;

  if (thisWorkbook.getSheetByName(selectedSheet) == null)
    thisWorkbook.insertSheet(selectedSheet);
  var resultSheet = thisWorkbook.getSheetByName(selectedSheet);
  var rowNum = 2;

  //select a Pipedrive 'table'
  var table = Browser.inputBox('データを取得したいテーブルを指定してください',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
  if (table == 'cancel')
    return;

  // JDBCでデータベースへのコネクション確立
  var conn = Jdbc.getConnection(instanceUrl , user, userPwd);
  var stmt = conn.createStatement();

  //入力したテーブルが利用可能か検証します
  var dbMetaData = conn.getMetaData();
  var tableSet = dbMetaData.getTables(null, null, table, null);
  var validTable = false;
  while (tableSet.next()) {
    var tempTable = tableSet.getString(3);
    if (table.toUpperCase() == tempTable.toUpperCase()){
      table = tempTable;
      validTable = true;
      break;
    }
  }
  tableSet.close();
  if (!validTable) {
    Browser.msgBox("テーブル名が不正です:" + table, Browser.Buttons.OK);
    return;
  }


  // 実行したいSQL
  var results = stmt.executeQuery('SELECT * FROM [Connect_1].[Account];');

  var numCols = results.getMetaData();

  const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet();
  const lastRow = sheet.getLastRow();

  let i = 1;
  while (results.next()) {

    var clmString = '';
    for (var col = 0; col < numCols.getColumnCount(); col++) {
        if (col==0){
          for(var j=1; j<=numCols.getColumnCount(); j++) {
            sheet.getRange(1, j).setValue(numCols.getColumnName(j))
          }
        }

      clmString = results.getString(col + 1);
      Logger.log(clmString);
      sheet.getRange(i+1, col+1).setValue(clmString);
    }
    i++;
  }

  results.close();
  stmt.close();
}
  

処理が完了するとPipedrive のデータが入力されたスプレッドシートが作成され、インターネットにアクセスできるあらゆる場所でGoogle スプレッドシートの計算、グラフ化、チャート作成機能を利用できるようになります。


Google Apps Script 用サンプルスクリプトの全体


//CData Connect ServerのIP およびポートを指定
var connectionName = 'xxxxxxx:1433;';
//CData Connect Serverで作成したユーザー
var user = 'admin';
//CData Connect Serverで設定したパスワード
var userPwd = 'xxxxxx';
//接続先DB名(CData Connect Serverのコネクション名)
var db = 'Connect_1';

var instanceUrl = 'jdbc:sqlserver://' + connectionName + 'databaseName=' + db;

function onOpen() {
 var spreadsheet = SpreadsheetApp.getActive();
 var menuItems = [
 {name:'データをスプレッドシートに書き込む', functionName: 'selectPipedriveData'}
 ];
  spreadsheet.addMenu('Pipedrive のデータを取得', menuItems);
}

/*
 * 指定したPipedrive のテーブルからデータを読み込み、指定したシートに書き込みます。
 *  シートが存在しない場合、新規に作成されます。
 */
function selectPipedriveData() {
 var thisWorkbook = SpreadsheetApp.getActive();

 //select a sheet and create it if it does not exist
 var selectedSheet = Browser.inputBox('データを書き込みたいシートを指定してください',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
 if (selectedSheet == 'cancel')
   return;

 if (thisWorkbook.getSheetByName(selectedSheet) == null)
  thisWorkbook.insertSheet(selectedSheet);
 var resultSheet = thisWorkbook.getSheetByName(selectedSheet);
 var rowNum = 2;

 //select a Pipedrive 'table'
 var table = Browser.inputBox('データを取得したいテーブルを指定してください',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
 if (table == 'cancel')
   return;

 // JDBCでデータベースへのコネクション確立
 var conn = Jdbc.getConnection(instanceUrl , user, userPwd);
 var stmt = conn.createStatement();

 //入力したテーブルが利用可能か検証します
 var dbMetaData = conn.getMetaData();
 var tableSet = dbMetaData.getTables(null, null, table, null);
 var validTable = false;
 while (tableSet.next()) {
   var tempTable = tableSet.getString(3);
   if (table.toUpperCase() == tempTable.toUpperCase()){
     table = tempTable;
     validTable = true;
     break;
   }
 }
 tableSet.close();
 if (!validTable) {
   Browser.msgBox("テーブル名が不正です:" + table, Browser.Buttons.OK);
   return;
 }

 // 実行したいSQL
 var results = stmt.executeQuery('SELECT * FROM [Connect_1].[Account];');

 var numCols = results.getMetaData();

 const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet();
 const lastRow = sheet.getLastRow();

 let i = 1;
 while (results.next()) {

   var clmString = '';
   for (var col = 0; col < numCols.getColumnCount(); col++) {
       if (col==0){
         for(var j=1; j<=numCols.getColumnCount(); j++) {
           sheet.getRange(1, j).setValue(numCols.getColumnName(j))
         }
       }

     clmString = results.getString(col + 1);
     Logger.log(clmString);
     sheet.getRange(i+1, col+1).setValue(clmString);
   }
   i++;
 }

 results.close();
 stmt.close();
}

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