データ変換ツールTranSpeed でSAP Netweaver Gateway のデータにアクセスする方法

TranSpeed でSAP Netweaver Gateway のデータに連携して、CSV ファイルに出力する方法を解説します。

杉本和也
リードエンジニア

最終更新日:2023-05-12

この記事で実現できるSAP Netweaver Gateway 連携のシナリオ

こんにちは!リードエンジニアの杉本です。

TranSpeed はユーザックシステムが提供するノンプログラミングデータ変換ツールです。豊富な変換ロジックと様々なRDB、CSVファイルなどに対応しているのが特徴で、RPAツール Autoジョブ名人のデータ変換機能としても利用されています。本記事では、TranSpeed からCData ODBC ドライバを利用してSAP Netweaver Gateway のデータを取得、CSV ファイルに出力する方法を解説します。

TranSpeed ではRDB の取り込み設定という仕組みが標準提供されており、この機能を介してSQL Server やMySQL などにアクセスできるようになっています。そして、この機能とCData が提供しているODBC Driver ラインナップを組み合わせることで、各種クラウドサービスのAPI にアクセスすることができるようになります。

CData ODBC ドライバとは?

CData ODBC ドライバは、以下のような特徴を持ったリアルタイムデータ連携ソリューションです。

  1. SAP Netweaver Gateway をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレミスデータソースに対応
  2. 多様なアプリケーション、ツールにSAP Netweaver Gateway のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定
  4. 標準SQL での柔軟なデータ読み込み・書き込み

CData ODBC ドライバでは、1.データソースとしてSAP Netweaver Gateway の接続を設定、2.TranSpeed 側でODBC Driver との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

CData ODBC ドライバのインストールとSAP Netweaver Gateway への接続設定

まずは、本記事右側のサイドバーからSAPGateway ODBC Driver の無償トライアルをダウンロード・インストールしてください。30日間無償で、製品版の全機能が使用できます。

インストール後、ODBC DSN(データソース名)で接続プロパティを設定します。Microsoft ODBC Data Source Administrator を使用して、ODBC DSN を作成および設定できます。

SAP Gateway 接続プロパティの取得・設定方法

SAP Gateway のテーブルにアクセスするには、次の接続プロパティを設定します。

  • URL = お使いの環境のURL、またはサービスの完全URL。例えば、完全URL は次のようになります:https://sapes5.sapdevcenter.com/sap/opu/odata/IWBEP/GWSAMPLE_BASIC/。この例では、環境URL は次のようになります:https://sapes5.sapdevcenter.com。CustomUrlParams プロパティを使用して、追加プロパティを追加します。
  • Namespace = 適切なService Namespace。先ほどの例では、IWBEP が名前空間です。サービスへの完全URL が指定されている場合は任意です。
  • Service = データを取得するサービス。先ほどの例では、サービスはGWSAMPLE_BASIC です。完全URL が指定されている場合は必須ではありません。
  • CustomUrlParams = HTTP リクエストに含まれる必要のある追加プロパティ;例えばsap-client=001&sap-language=EN

SAP Gateway への認証

SAP Gateway はBasic 認証、OAuth 2.0 認証、SAP BTP Destination 認証を許可します。

Basic 認証

Basic 認証を有効にするには、以下のプロパティを設定します。

  • AuthScheme = Basic
  • User = SAP Gateway へのログインに使用するユーザー名。
  • Password = SAP Gateway へのログインに使用するパスワード。

上記のプロパティを設定したら、接続の準備は完了です。ローカルデータにアクセスするには、個人の認証情報を使用します。

他の認証方法については、ヘルプドキュメントの「接続の確立」セクションを参照してください。



SAP Netweaver Gateway のデータをTranSpeed に連携

CData Driver の設定が完了したらTranSpeed 側の設定を進めます。まずはCData ODBC ドライバ経由でSAP Netweaver Gateway へ接続するための「データベース接続定義」を追加しましょう。

  1. TranSpeed を立ち上げて、「マッピング設定」に移動します。
  2. マッピング設定
  3. 「データベース接続定義」に移動し「新規」ボタンをクリックします。表示される画面で「新たにデータベース接続定義を作成する」を選択し「OK」をクリック
  4. データベース接続定義を作成
  5. 先程作成したODBC DSN の情報を指定した接続情報を入力します。入力後、接続テストを実行し、正常に完了したら登録ボタンをクリックして保存します。以下は接続情報の設定例です。

    プロパティ名

    設定値例

    備考

    接続名

    SAP Netweaver Gateway

    任意の接続名を指定します。

    データベースエンジン種別

    その他

    接続方法

    Odbc

    データベース名

    SAP Netweaver Gateway

    接続文字列

    DSN=CData SAPGateway Source

    先程作成したODBC DSNの名前をDSN=以降に指定します。


    データ変換アプリケーションの作成

    ODBC の接続設定を追加したら、実際にデータ変換を行うアプリケーションを作成していきましょう。マッピング設定の画面から「システム」を選択し、「新規」ボタンをクリックします。

    アプリケーションの新規作成

    新しく作成するデータ変換アプリケーションの内容が表示されます。今回はそのままデフォルトで作成を開始します。必要に応じて各種名称を表示すると良いでしょう。

    入力データソースの設定

    アプリケーション定義画面が表示されたら、まず「入力データソース」を調整していきます。今回はSAP Netweaver Gateway からデータを取得するので、入力データソースのデータ種別で「データベース」を選択します。データベースを選択後、データベース接続IDとして先程作成したSAP Netweaver Gateway への接続情報を指定します。

    入力データソースの設定

    接続情報の指定が完了したら、対象となるテーブルを指定しましょう(SAP Netweaver Gateway のSalesOrderLineItems など)。テーブル名を入力すると、各項目の「検索」ボタンから対象のフィールドを指定できるようになりますので、お好みのフィールドを選択してください。

    出力データソースの設定

    続いて出力データソースを設定します。今回はシンプルにCSVに出力する処理とするため、データ種別で「CSVテキスト」を選択しました

    項目定義の構成

    入力データソースと出力データソースの指定完了後、それぞれのデータソースの仲介の役割となる項目定義を追加します。

    入出力マッピングの構成

    最後に「入力データソース」「項目定義」「出力データソース」それぞれの項目を紐づける「入出力マッピング」を構成します。以下のような画面が表示されるので、それぞれの項目を紐づけていきましょう。

    入出力マッピングの構成

    これでデータ変換アプリケーションは作成完了です。

    テスト実行

    それでは作成したデータ変換アプリケーションをテスト実行してみましょう。画面左上の「テスト実行」ボタンから動作確認が実施できます。以下のような画面が表示されるので「実行」をクリックします。

    テスト実行

    正常に処理が完了すると、以下のように処理件数と完了のメッセージが表示されます。

    テスト実行結果

    CSVファイルを確認すると、SAP Netweaver Gateway のデータをもとにしたCSV ファイルが生成されています。

    おわりに

    このようにCData ODBC ドライバを利用することで、各種クラウドサービスをTranSpeed の接続先として利用できるようになります。 CData ではSAP Netweaver Gateway 以外にも250種類以上のデータソース向けにODBC Driver を提供しています。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

    日本のユーザー向けにCData ODBC ドライバは、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

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