PolyBase で外部データソースとしてDynamics 365 を連携利用

CData ODBC ドライバとSQL Server 2019 のPolyBase を使って、リアルタイムDynamics 365 に外部データソースとしてアクセス。

古川えりか
コンテンツスペシャリスト

最終更新日:2022-04-21

この記事で実現できるDynamics 365 連携のシナリオ

こんにちは!ドライバー周りのヘルプドキュメントを担当している古川です。

SQL Server のPolyBase は、データベーステーブルをクエリするTransact-SQL 構文を使って、外部データにクエリする仕組みです。 CData ODBC Driver for Dynamics365 を組み合わせて使うことで、SQL Server データと同じようにDynamics 365 へのアクセスが可能です。 本記事では、外部データソースと外部テーブルの作成から、T-SQL クエリを使ってリアルタイムDynamics 365 のデータへ接続を認可するところまで説明します。

CData ODBC ドライバーは、ドライバーに組み込まれた最適化されたデータ処理により、PolyBase でリアルタイムDynamics 365 のデータを送受信するための圧倒的なパフォーマンスを提供します。SQL Server からDynamics 365 に複雑なSQL クエリを発行すると、ドライバーはフィルタや集計などのサポートされているSQL 操作をDynamics 365 に直接プッシュダウンし、組み込みSQL エンジンを利用して、サポートされていない操作(一般的にはSQL 関数とJOIN 操作) をクライアント側で処理します。また、PolyBase を使用することで、単一のクエリを使用して分散ソースからデータをプルし、SQL Server データをDynamics 365 と結合することもできます。

CData ODBC ドライバとは?

CData ODBC ドライバは、以下のような特徴を持ったリアルタイムデータ連携ソリューションです。

  1. Dynamics 365 をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレミスデータソースに対応
  2. 多様なアプリケーション、ツールにDynamics 365 のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定
  4. 標準 SQL での柔軟なデータ読み込み・書き込み

CData ODBC ドライバでは、1.データソースとしてDynamics 365 の接続を設定、2.PolyBase 側でODBC Driver との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

CData ODBC ドライバのインストールとDynamics 365 への接続設定

まずは、本記事右側のサイドバーからDynamics365 ODBC Driver の無償トライアルをダウンロード・インストールしてください。30日間無償で、製品版の全機能が使用できます。

未指定の場合は、初めにODBC DSN(data source name)で接続プロパティを指定します。ドライバーのインストールの最後にアドミニストレーターが開きます。Microsoft ODBC Data Source Administrator を使用して、ODBC DSN を作成および構成できます。PolyBase を使用してSQL Server に外部データソースを作成するには、System DSN を構成します。(CData Dynamics 365 Sys は自動的に作成されます。)

Dynamics 365 接続プロパティの取得・設定方法

Microsoft Dynamics 365 への接続

Microsoft Dynamics 365 ドライバーは、以下のMicrosoft Dynamics 365 エディションへの接続をサポートしています。

  • CustomerService
  • FieldService
  • FinOpsOnline (デフォルト)
  • FinOpsOnPremise
  • HumanResources
  • Marketing
  • ProjectOperations
  • Sales

Notes:

  • Supply Chain Management はFinance and Operations と同一です。これらのいずれかに接続するには、EditionFinOpsOnline またはFinOpsOnPremise のいずれかに設定します。
  • Microsoft Dynamics 365 Business Central については、個別のMicrosoft Dynamics 365 Business Central ドライバーを使用してください。
接続するには、次のパラメータを設定します。
  • OrganizationUrl:お使いのMicrosoft Dynamics 365 組織のURL。例えば、https://orgcb42e1d0.crm.dynamics.com
  • Edition:上記のエディション一覧に示すとおり。

Microsoft Dynamics 365 への認証

Microsoft Dynamics 365 は、Azure AD、Azure サービスプリンシパル、Azure マネージドID(MSI)を経由する認証をサポートします。これらはすべてOAuth 規格に基づきます。 認証方法の詳細は、ヘルプドキュメントを参照してください。

[接続のテスト]をクリックして、DSN がDynamics 365 に正しく接続できているかを確認します。[テーブル]タブに移動し、Dynamics 365 のテーブル定義を確認します。

Dynamics 365 のデータの外部データソースを作成

接続を構成したのち、外部データソースのマスター暗号化キーと資格情報データベースを作成する必要があります。

マスター暗号化キーの作成

以下のSQL コマンドを実行して新しいマスターキー[ENCRYPTION]を作成し、外部データソースの資格情報を暗号化します。

CREATE MASTER KEY ENCRYPTION BY PASSWORD = 'password';

資格情報データベースの作成

以下のSQL コマンドを実行してDynamics 365 に接続されている外部データソースの資格情報を作成します。

Note:Dynamics 365 は認証にUser やPassword を必要としないため、IDENTITY とSECRET に任意の値を使用できます。

CREATE DATABASE SCOPED CREDENTIAL dynamics365_creds
WITH IDENTITY = 'username', SECRET = 'password';

Dynamics 365 の外部データソースを作成

以下のSQL コマンドを実行し、以前作成したDSN と資格情報を使用して、PolyBase でDynamics 365 の外部データソースを作成します。

Dynamics 365 の場合、SERVERNAME を[localhost]または[127.0.0.1]に設定し、PORT を空のままにします。PUSHDOWN は、デフォルトでON に設定されているため、ODBC Driver は、サーバー側の処理を利用して複雑なクエリを実行できます。

CREATE EXTERNAL DATA SOURCE cdata_dynamics365_source
WITH (
  LOCATION = 'odbc://SERVERNAME[:PORT]',
  CONNECTION_OPTIONS = 'DSN=CData Dynamics 365 Sys',
  -- PUSHDOWN = ON | OFF,
  CREDENTIAL = dynamics365_creds
);

Dynamics 365 の外部テーブルを作成

外部データソースを作成したら、CREATE EXTERNAL TABLE ステートメントを使用してSQL Server インスタンスからDynamics 365 にリンクします。テーブルカラムの定義は、CData ODBC Driver for Dynamics365 によって公開されているものと一致しなければなりません。DSN Configuration Wizard の[テーブル]タブを参照し、テーブルの定義を確認できます。

Table definition in the DSN Configuration Wizard (Salesforce is shown)

CREATE TABLE ステートメントのサンプル

以下は、Dynamics 365 GoalHeadings に基づいて外部テーブルを作成するステートメントの一例です。

CREATE EXTERNAL TABLE GoalHeadings(
  GoalHeadingId [nvarchar](255) NULL,
  Name [nvarchar](255) NULL,
  ...
) WITH (
  LOCATION='GoalHeadings',
  DATA_SOURCE=cdata_dynamics365_source
);

SQL Server インスタンスでDynamics 365 の外部テーブルを作成すると、ローカルデータとリモートデータを同時にクエリできるようになります。CData ODBC Driver に組み込まれているクエリ処理により、可能な限り多くのクエリ処理がDynamics 365 にプッシュされることで、ローカルのリソースと計算リソースが解放されます。ODBC Driver for Dynamics365 の30日間無料トライアルをダウンロードし、SQL Server データでリアルタイムDynamics 365 のデータを使い始めましょう。

Dynamics 365 からPolyBase へのデータ連携には、ぜひCData ODBC ドライバをご利用ください

このようにCData ODBC ドライバと併用することで、270を超えるSaaS、NoSQL データをコーディングなしで扱うことができます。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

CData ODBC ドライバは日本のユーザー向けに、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

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