SQLAlchemy ORM を使って、Python でDynamics 365 のデータに連携する方法

CData Python Connector を使って、Python アプリケーションおよびスクリプトからSQLAlchemy 経由でDynamics 365 にOR マッピング可能に。

加藤龍彦
デジタルマーケティング

最終更新日:2023-09-23

この記事で実現できるDynamics 365 連携のシナリオ

こんにちは!ウェブ担当の加藤です。マーケ関連のデータ分析や整備もやっています。

Pythonエコシステムには、多くのモジュールがあり、システム構築を素早く効率的に行うことができます。CData Python Connector for Dynamics365 は、pandas、Matplotlib モジュール、SQLAlchemy ツールキットから使用することで Dynamics 365 にデータ連携するPython アプリケーションを構築し、Dynamics 365 のデータを可視化できます。 本記事では、SQLAlchemy でDynamics 365 に連携して、データを取得、、更新、挿入、削除 する方法を説明します。

CData Python Connectors の特徴

CData Python Connectors は、以下のような特徴を持った製品です。

  1. Dynamics 365 をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレデータソースに対応
  2. Python をはじめとする多様なデータ分析・BI ツールにDynamics 365 のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定

CData Python Connectors では、1.データソースとしてDynamics 365 の接続を設定、2.Python からPython Connectors との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

必要なモジュールのインストール

pip でSQLAlchemy ツールキットをインストールします:

pip install sqlalchemy

モジュールのインポートを忘れずに行います:

import sqlalchemy

Python でDynamics 365 のデータをモデル化

次は、接続文字列で接続を確立します。create_engine 関数を使って、Dynamics 365 のデータに連携するEngne を作成します。

engine = create_engine("dynamics365///?OrganizationUrl=https://myaccount.operations.dynamics.com/&Edition=Sales&InitiateOAuth=GETANDREFRESH&OAuthSettingsLocation=/PATH/TO/OAuthSettings.txt")

Dynamics 365 接続プロパティの取得・設定方法

Microsoft Dynamics 365 への接続

Microsoft Dynamics 365 ドライバーは、以下のMicrosoft Dynamics 365 エディションへの接続をサポートしています。

  • CustomerService
  • FieldService
  • FinOpsOnline (デフォルト)
  • FinOpsOnPremise
  • HumanResources
  • Marketing
  • ProjectOperations
  • Sales

Notes:

  • Supply Chain Management はFinance and Operations と同一です。これらのいずれかに接続するには、EditionFinOpsOnline またはFinOpsOnPremise のいずれかに設定します。
  • Microsoft Dynamics 365 Business Central については、個別のMicrosoft Dynamics 365 Business Central ドライバーを使用してください。
接続するには、次のパラメータを設定します。
  • OrganizationUrl:お使いのMicrosoft Dynamics 365 組織のURL。例えば、https://orgcb42e1d0.crm.dynamics.com
  • Edition:上記のエディション一覧に示すとおり。

Microsoft Dynamics 365 への認証

Microsoft Dynamics 365 は、Azure AD、Azure サービスプリンシパル、Azure マネージドID(MSI)を経由する認証をサポートします。これらはすべてOAuth 規格に基づきます。 認証方法の詳細は、ヘルプドキュメントを参照してください。

Dynamics 365 のデータのマッピングクラスの宣言

接続を確立したら、OR マッパーでモデル化するテーブルのマッピングクラスを宣言します。本記事では、GoalHeadings テーブルを使います。sqlalchemy.ext.declarative.declarative_base 関数を使って、新しいクラスにフィールド(カラム)を定義します。

base = declarative_base()
class GoalHeadings(base):
	__tablename__ = "GoalHeadings"
	GoalHeadingId = Column(String,primary_key=True)
	Name = Column(String)
	...

Dynamics 365 のデータをクエリ

マッピングクラスができたので、セッションオブジェクトを使ってデータソースをクエリすることができます。セッションにEngine をバインドして、セッションのquery メソッドにマッピングクラスを提供します。

query メソッドを使う

engine = create_engine("dynamics365///?OrganizationUrl=https://myaccount.operations.dynamics.com/&Edition=Sales&InitiateOAuth=GETANDREFRESH&OAuthSettingsLocation=/PATH/TO/OAuthSettings.txt")
factory = sessionmaker(bind=engine)
session = factory()
for instance in session.query(GoalHeadings).filter_by(Name="MyAccount"):
	print("GoalHeadingId: ", instance.GoalHeadingId)
	print("Name: ", instance.Name)
	print("---------")

ほかの方法としては、execute メソッドを適切なテーブルオブジェクトに使うことが可能です。以下のコードはアクティブなsession に対して有効です。

execute メソッドを使う

GoalHeadings_table = GoalHeadings.metadata.tables["GoalHeadings"]
for instance in session.execute(GoalHeadings_table.select().where(GoalHeadings_table.c.Name == "MyAccount")):
	print("GoalHeadingId: ", instance.GoalHeadingId)
	print("Name: ", instance.Name)
	print("---------")

より複雑なクエリとして、JOIN、集計、Limit などが利用可能です。詳細はヘルプドキュメントをご覧ください。

Dynamics 365 のデータの挿入(INSERT)

Dynamics 365 のデータへの挿入には、マップされたクラスのインスタンスを定義し、アクティブな session に追加します。commit 関数を呼び出して、Dynamics 365 にすべての追加インスタンスを送ります。

new_rec = GoalHeadings(GoalHeadingId="placeholder", Name="MyAccount")
session.add(new_rec)
session.commit()

Dynamics 365 のデータを更新(UPDATE)

Dynamics 365 のデータの更新には、更新するレコードをフィルタクエリとともにフェッチします。そして、フィールドの値を変更し、セッションでcommit 関数を呼んで、Dynamics 365 にレコードを追加します。

updated_rec = session.query(GoalHeadings).filter_by(SOME_ID_COLUMN="SOME_ID_VALUE").first()
updated_rec.Name = "MyAccount"
session.commit()

Dynamics 365 のデータを削除(DELETE)

Dynamics 365 のデータの削除には、フィルタクエリと一緒に対象となるレコードをフェッチします。そして、アクティブsession でレコードを削除し、セッションでcommit 関数を呼び出して、該当するレコードの削除を実行します。

deleted_rec = session.query(GoalHeadings).filter_by(SOME_ID_COLUMN="SOME_ID_VALUE").first()
session.delete(deleted_rec)
session.commit()

Dynamics 365 からPython へのデータ連携には、ぜひCData Python Connector をご利用ください

このようにCData Python Connector と併用することで、270を超えるSaaS、NoSQL データをPython からコーディングなしで扱うことができます。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

日本のユーザー向けにCData Python Connector は、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

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