インテリジェントオートメーションRPA、Blue Prism でAccess のデータを連携利用

インテリジェントオートメーションRPA、Blue Prism と Access ODBC Driver を使ってノーコードでAccess 連携フローを作成。

杉本和也
リードエンジニア

最終更新日:2022-03-24

この記事で実現できるAccess 連携のシナリオ

こんにちは!リードエンジニアの杉本です。

Blue Prism は2001年にイギリスで創業したBlue Prism 社が提供するエンタープライズ企業向けのロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)ツールです。

大きな特徴は「プロセス」と「オブジェクト」という概念で自動化処理を構成していくところが挙げられるでしょう。あらかじめ各種アプリケーションを操作する手続き、振る舞いをオブジェクトとして定義することで、再利用性を高め、全体の開発生産性を向上させています。

このオブジェクトはVBO という名前で各種テンプレート、プリセットが公開されており、初心者でもさまざまなアプリケーションやローカルファイル、サービスなどに接続することが可能になっています。

そんなVBO の中にはODBC 経由でデータベースに接続できるものも提供されており、CData ODBC ドライバと組み合わせることで、CData が対応しているさまざまなデータソースと手軽に連携ができるようになります。

今回の記事ではこのODBC 用のVBO とCData ODBC ドライバを使って、Blue Prism からAccess に接続する方法を紹介します。

CData ODBC ドライバとは?

CData ODBC ドライバは、以下のような特徴を持った製品です。

  1. Access をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレデータソースに対応
  2. 多様なアプリケーション、ツールにAccess のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定
  4. 標準SQL での柔軟なデータ読み込み・書き込み

CData ODBC ドライバでは、1.データソースとしてAccess の接続を設定、2.Blue Prism 側でODBC Driver との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

CData ODBC ドライバのインストールとAccess への接続設定

まずは、本記事右側のサイドバーからAccess ODBC Driver の無償トライアルをダウンロード・インストールしてください。30日間無償で、製品版の全機能が使用できます。

  1. まずODBC DSN に必要な接続プロパティの値を入力します。 組み込みのMicrosoft ODBC データソースアドミニストレーターを使用してDSN を構成できます。 これは、ドライバーのインストール時の最後のステップでも可能です。 Microsoft ODBC データソースアドミニストレータを使用してDSN を作成および設定する方法については、ヘルプドキュメントの「はじめに」の章を参照してください。

    Access接続の設定方法

    ローカルファイルへの接続設定

    ローカル環境からAccess への接続は非常にシンプルです。ConnectionTypeLocal に設定することで、CRUD 操作(SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE)をすべて実行できます。接続にはDataSource プロパティに以下のようなAcces sデータベースファイルのフルパスを指定します。

    C:\Users\Public\Documents\MyDatabase.accdb

    詳細な接続手順については、ヘルプドキュメントの「はじめに」セクションをご参照ください。

    クラウドストレージ上のAccess ファイルへの接続設定

    各種クラウドストレージに保存されているAccess ファイルへのアクセスにも対応しています。ただし、クラウド上のファイルに対するデータ操作は、INSERT、UPDATE、DELETE に制限されますのでご注意ください。

    S3、Google Driver、OneDrive など、各種クラウドストレージ内のAccess ファイルへの接続方法はこちらの記事をご確認ください。

    クラウド上のファイルを更新したい場合は、以下の手順で実施いただけます。

    1. 対応するCData ドライバーを利用し、クラウドサービスからAccess ファイルをダウンロード
    2. Access ドライバーを使用して、ローカル環境でファイルを編集
    3. クラウドサービス用ドライバーのストアドプロシージャを使用して、更新ファイルをアップロード

    具体例として、SharePoint 上のファイルを更新する場合の手順をご紹介します。

    1. CData SharePoint ドライバーのDownloadDocument プロシージャを使用してファイルを取得
    2. CData Access ドライバーでファイルの更新を実施
    3. SharePoint ドライバーのUploadDocument プロシージャで更新内容を反映

    DataSource 接続プロパティの設定について補足いたします。接続先のクラウドストレージを識別するための一意の接頭辞を指定し、続けて目的のファイルパスまたはフォルダパスを記述します。フォルダを指定した場合は1ファイルが1テーブルとして、単一ファイルの場合は単一テーブルとして扱われます。

  2. DSN設定
  3. 入力後、接続テストが成功すれば設定は完了です。

ODBC 用の VBO を追加する

続いて、ODBC 用のVBO をBlue Prism に追加しましょう。

  1. こちらのURLから「Connector for ODBC Utility Blue Prism」が入手できます。
  2. 「BPA+Object+-+Data+-+ODBC+v1.0.xml」というXMLファイルがダウンロードできるので、Blue Prism を立ち上げてオブジェクトとしてインポートしましょう。
  3. 対象のファイルを選択し「次へ」進みます。
  4. インポートが完了すると、以下のようにオブジェクト一覧に「Data - ODBC」が追加されます。
  5. これを使って、CData ODBC ドライバへ Blue Prism から簡単に接続できるようになります。

新しいプロセスを作成する

それでは早速自動化のプロセスを作成していきましょう。

  1. 「新しいプロセスまたはビジネスオブジェクト」から「プロセス」を選択して、次へ進みます。
  2. 任意のプロセス名を入力します。
  3. 必要に応じてプロセスの説明を指定して、「終了」をクリックしましょう。
  4. これで以下のように初期化されたプロセスが立ち上がります。

ODBC Open 処理を追加する

ODBC の接続処理は以下の3つのプロセスで実施します。実際にデータの操作を実行するのは真ん中の部分ですが、前後の処理が必要になるという点に注意してフローを組みましょう。

  • コネクションを確立するためのOpen 処理
  • SQL やINSERT 文などを実行するExecute(ExecuteNonQuery)処理
  • コネクションを終了するためのClose 処理

まずは「コネクションを確立するためのOpen 処理」を追加します。

  1. 「アクション」を画面に配置して設定画面を開きます。
  2. ビジネスオブジェクトの一覧から先ほどインポートした「Data - ODBC」を選択しアクションの一覧で「Open」を選択しましょう。
    「Open」アクションは入力パラメータとして「Connection String」を必要とします。ここで先ほど設定したCData ODBC ドライバのDSN 名を「"DSN=CData Access Source"」といった形式で指定します。

ODBC 経由でデータを取得する処理を追加する

続いてAccess からデータを取得する処理を追加していきましょう。

  1. 先ほどと同じように「アクション」を追加し
  2. ビジネスオブジェクトの一覧から「Data - ODBC」を選択、アクションの一覧で「Execute」を選択しましょう。Execute ではSQL を指定して、データを取得することができます。
  3. なお、SELECT Statement で利用するテーブルやカラムの情報はODBC DSN の「テーブル」タブから確認できます。
  4. また、Blue Prism 上で取得した結果を扱えるように、処理結果を変数に格納します。出力タブにある「Results」の変数アイコンをクリックして、出力先の変数を生成し「OK」をクリックしましょう。

ODBC のクローズ処理を追加する

最後にODBC の処理を終了して、接続を開放するためにクローズ処理を追加します。

  1. 同じようにアクションを配置し
  2. ビジネスオブジェクトの一覧から「Data - ODBC」、アクションの一覧で「Close」を選択しましょう。Close では特に設定するパラメータはありません。
  3. 最後にリンクを繋いで、以下のようなプロセスができ上がります。

Excel に保存する処理を追加する

これだけではデータを取得して何も行わないので、Excel ファイルに書き込みを行ってみましょう。「Excel VBO」を使って、後続のフローを作成します。

  1. 以下のようなフローで作成しています。
  2. 「MS Excel VBO::Write Collection」のアクションで入力パラメータの「Collection」にODBC 経由で取得した「Results」を書き込んでいます。

動作確認

プロセスが完了したら「実行」ボタンをクリックして、実際に動かしてみましょう。

  1. 画面左上の実行ボタンをクリックします。
  2. 最終的に以下のようなExcel ファイルに書き込みが完了していればOK です。

このようにCData ODBC Driver for Access とBlue Prism を組み合わせることで、簡単にAccess のデータを活用したフローを作成することができました。ぜひ、30日の無償評価版 をお試しください。

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