SQLAlchemy ORM を使って、Python でAccess のデータに連携する方法

CData Python Connector を使って、Python アプリケーションおよびスクリプトからSQLAlchemy 経由でAccess にOR マッピング可能に。

加藤龍彦
デジタルマーケティング

最終更新日:2023-09-23

この記事で実現できるAccess 連携のシナリオ

こんにちは!ウェブ担当の加藤です。マーケ関連のデータ分析や整備もやっています。

Pythonエコシステムには、多くのモジュールがあり、システム構築を素早く効率的に行うことができます。CData Python Connector for Access は、pandas、Matplotlib モジュール、SQLAlchemy ツールキットから使用することで Access にデータ連携するPython アプリケーションを構築し、Access のデータを可視化できます。 本記事では、SQLAlchemy でAccess に連携して、データを取得、、更新、挿入、削除 する方法を説明します。

CData Python Connectors の特徴

CData Python Connectors は、以下のような特徴を持った製品です。

  1. Access をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレデータソースに対応
  2. Python をはじめとする多様なデータ分析・BI ツールにAccess のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定

CData Python Connectors では、1.データソースとしてAccess の接続を設定、2.Python からPython Connectors との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

必要なモジュールのインストール

pip でSQLAlchemy ツールキットをインストールします:

pip install sqlalchemy

モジュールのインポートを忘れずに行います:

import sqlalchemy

Python でAccess のデータをモデル化

次は、接続文字列で接続を確立します。create_engine 関数を使って、Access のデータに連携するEngne を作成します。

engine = create_engine("access///?DataSource=C:/MyDB.accdb")

Access接続の設定方法

ローカルファイルへの接続設定

ローカル環境からAccess への接続は非常にシンプルです。ConnectionTypeLocal に設定することで、CRUD 操作(SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE)をすべて実行できます。接続にはDataSource プロパティに以下のようなAcces sデータベースファイルのフルパスを指定します。

C:\Users\Public\Documents\MyDatabase.accdb

詳細な接続手順については、ヘルプドキュメントの「はじめに」セクションをご参照ください。

クラウドストレージ上のAccess ファイルへの接続設定

各種クラウドストレージに保存されているAccess ファイルへのアクセスにも対応しています。ただし、クラウド上のファイルに対するデータ操作は、INSERT、UPDATE、DELETE に制限されますのでご注意ください。

S3、Google Driver、OneDrive など、各種クラウドストレージ内のAccess ファイルへの接続方法はこちらの記事をご確認ください。

クラウド上のファイルを更新したい場合は、以下の手順で実施いただけます。

  1. 対応するCData ドライバーを利用し、クラウドサービスからAccess ファイルをダウンロード
  2. Access ドライバーを使用して、ローカル環境でファイルを編集
  3. クラウドサービス用ドライバーのストアドプロシージャを使用して、更新ファイルをアップロード

具体例として、SharePoint 上のファイルを更新する場合の手順をご紹介します。

  1. CData SharePoint ドライバーのDownloadDocument プロシージャを使用してファイルを取得
  2. CData Access ドライバーでファイルの更新を実施
  3. SharePoint ドライバーのUploadDocument プロシージャで更新内容を反映

DataSource 接続プロパティの設定について補足いたします。接続先のクラウドストレージを識別するための一意の接頭辞を指定し、続けて目的のファイルパスまたはフォルダパスを記述します。フォルダを指定した場合は1ファイルが1テーブルとして、単一ファイルの場合は単一テーブルとして扱われます。

Access のデータのマッピングクラスの宣言

接続を確立したら、OR マッパーでモデル化するテーブルのマッピングクラスを宣言します。本記事では、Orders テーブルを使います。sqlalchemy.ext.declarative.declarative_base 関数を使って、新しいクラスにフィールド(カラム)を定義します。

base = declarative_base()
class Orders(base):
	__tablename__ = "Orders"
	OrderName = Column(String,primary_key=True)
	Freight = Column(String)
	...

Access のデータをクエリ

マッピングクラスができたので、セッションオブジェクトを使ってデータソースをクエリすることができます。セッションにEngine をバインドして、セッションのquery メソッドにマッピングクラスを提供します。

query メソッドを使う

engine = create_engine("access///?DataSource=C:/MyDB.accdb")
factory = sessionmaker(bind=engine)
session = factory()
for instance in session.query(Orders).filter_by(ShipCity="New York"):
	print("OrderName: ", instance.OrderName)
	print("Freight: ", instance.Freight)
	print("---------")

ほかの方法としては、execute メソッドを適切なテーブルオブジェクトに使うことが可能です。以下のコードはアクティブなsession に対して有効です。

execute メソッドを使う

Orders_table = Orders.metadata.tables["Orders"]
for instance in session.execute(Orders_table.select().where(Orders_table.c.ShipCity == "New York")):
	print("OrderName: ", instance.OrderName)
	print("Freight: ", instance.Freight)
	print("---------")

より複雑なクエリとして、JOIN、集計、Limit などが利用可能です。詳細はヘルプドキュメントをご覧ください。

Access のデータの挿入(INSERT)

Access のデータへの挿入には、マップされたクラスのインスタンスを定義し、アクティブな session に追加します。commit 関数を呼び出して、Access にすべての追加インスタンスを送ります。

new_rec = Orders(OrderName="placeholder", ShipCity="New York")
session.add(new_rec)
session.commit()

Access のデータを更新(UPDATE)

Access のデータの更新には、更新するレコードをフィルタクエリとともにフェッチします。そして、フィールドの値を変更し、セッションでcommit 関数を呼んで、Access にレコードを追加します。

updated_rec = session.query(Orders).filter_by(SOME_ID_COLUMN="SOME_ID_VALUE").first()
updated_rec.ShipCity = "New York"
session.commit()

Access のデータを削除(DELETE)

Access のデータの削除には、フィルタクエリと一緒に対象となるレコードをフェッチします。そして、アクティブsession でレコードを削除し、セッションでcommit 関数を呼び出して、該当するレコードの削除を実行します。

deleted_rec = session.query(Orders).filter_by(SOME_ID_COLUMN="SOME_ID_VALUE").first()
session.delete(deleted_rec)
session.commit()

Access からPython へのデータ連携には、ぜひCData Python Connector をご利用ください

このようにCData Python Connector と併用することで、270を超えるSaaS、NoSQL データをPython からコーディングなしで扱うことができます。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

日本のユーザー向けにCData Python Connector は、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

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